葬儀の知識 無宗教葬儀とは?

近年では、形式にとらわれない自由な葬儀が行われることも多くなりました。古い習わしや特定の宗教にとらわれない葬儀のことを、無宗教葬儀または自由葬といいます。

無宗教葬儀の特徴は、型にはまった形ではなく故人らしさを大切にした送り方をする、という点にあるでしょう。

宗教にこだわらない形で行われますので、無宗教儀式では僧侶を呼ぶ必要がありません。お経を唱えるかわりに、故人が好きだった音楽を流したり思い出の写真や映像を流す、といったことが行われます。

お焼香もありませんが、かわりに献花を行うのが一般的です。

仏式の葬儀では、僧侶に渡すお布施や戒名料などの費用が必要となります。

無宗教葬儀の場合、僧侶を呼ばず戒名もつけませんので、葬儀にかかる費用が少なくなる傾向です。

ただし基本的に自由な形式の葬儀となりますから、儀式の内容によっては、仏式よりも高い費用が必要となることもあります。

たとえば演奏者を呼び、故人が好きな音楽をその場で演奏してもらう、といった演出を行った場合、出演料などの費用が発生するでしょう。無宗教葬儀なら必ず費用が安くなるというわけではないのです。

無宗教葬儀でも通常は香典を包むのが一般的であり、表書きには御花料または御霊前といった言葉が使用されます。無宗教葬儀の場合、特定の宗教と関わりのない表書きを添えるのがマナーです。

参列者の服装は略喪服となるのが一般的ですが、葬儀によっては平服と指定されている場合もあります。平服で参列する場合は、派手でない暗い色のスーツや、ワンピース等を着用すると良いでしょう。

無宗教の場合、供養の形式もそれぞれのケースによって異なってきます。霊園にお墓をたてる、散骨をするなど、その形式は様々です。ご遺族が遺骨を故人で保管する、手元供養といった形もあります。

日本の葬儀は仏式で行われることが多く、無宗教葬儀はまださほど一般的ではないかもしれません。しかし故人の個性を大切にしたいなど、様々な理由から無宗教葬儀を選ぶ方も増加しています。


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