末期の水とは臨終に立ち会った人が故人の口に含ませる水のことで、その儀式を指す名前でもあります。
故人を弔う儀式は様々にありますが、末期の水とはまさに最初に行われる儀式です。
末期の水とは仏教の儀式の1つで、経典に記されるお釈迦様の入滅に関係しているとされています。
故事にちなむとの説もありますから、歴史があっても昔から行われてきたことだと分かります。
お釈迦様は死を迎える直前に、弟子に対してのどが渇いた、水を取って欲しいといったそうです。
ところが河の水は濁っており、弟子はお釈迦様に我慢するように伝えました。
その瞬間、雪山に済む鬼神が現れ、鉢に汲んだ浄水を捧げたといわれています。
この水を口に含むことができたお釈迦様は、安らかに旅立つことができました。
それが末期の水の由来で、現代に受け継がれる儀式となっているわけです。
末期の水とは、由来により以前は臨終の前に行われていましたが、現在は臨終と判断された後に行うのが一般的です。
医師やスタッフは末期の水に精通しているので、臨終となれば速やかに末期の水の実施に誘導してくれます。
末期の水とは病院だとその場で執り行うもので、末期の水に続き清拭や湯灌、死化粧の順で進めていくことになります。