仏葬において、棺に亡くなった人を収める前に遺体をぬるま湯を使い拭き清めることを湯灌といいます。
そもそも湯灌とは、遺体を入浴して洗い清めるための儀式であること、これを行うことは個人が無地に成仏して来世に導かれるなど重要な目的あること、そして現世の中での汚れおよび悩みなどを洗い流す大切儀式として古くから行われ続けています。
ただ、湯灌とは単なるしきたりなどの意味だけでなく、生前闘病生活などによりお風呂に入ることができなかった、お風呂がとても好きだったので入浴させてきれいにしてあげたいなど遺族の気持ちを叶えるといった重要な役割もあります。
湯灌とは、この世での穢れなどを洗い流す以外にも霊魂を復活させるなどのような呪術的な意味もあった、その昔はぬるま湯などでなく川の水を使い遺体を清めたなどともいわれています。
また、湯灌をぬるま湯を使って行うと死後硬直となって棺に遺体を収める際にやりやすくなる、このような意味もあるなど様々です。
湯灌は、主に葬儀社や専門業者のスタッフなどが湯灌をしてくれるため、遺族はそれに立ち会う形で進められるのが一般的になっています。ちなみに、湯灌に要する時間の目安は、1時間から1時間半ほどです。