施餓鬼(せがき)

施餓鬼とは仏教における行事の一つで、その名の通り餓鬼に対して施しをすることを指します。

餓鬼というのは生前に悪さをしたり、供養してもらえずに無縁仏となった魂が、地獄に落ちて鬼となることです。

餓鬼は「餓えた鬼」という文字からも分かる通り、常に飢えと渇きに苦しんでいます。地獄ではいつでも飲食できるような状態ではないからです。

そこで行われるのが施餓鬼で、飲食できずに苦しむ餓鬼に対して食べ物と飲み物をお供えします。

そうして、この世で今生きている自分たちが死後に極楽浄土へ行けるよう願うわけです。
なお、施餓鬼はどの宗派でも行うわけではなく、実際に浄土真宗では行われていません。これは、宗派によって少しずつ考え方に違いがあることが理由です。

浄土真宗では、今を生きる自分たちも煩悩を抱える「悪人」だと考えます。

しかし、信仰を深めて得を積み重ねることで仏様に救われ、極楽浄土へ行けるようになるのです。このような考えから、悪人が餓鬼になるという発想自体が馴染みにくく、施餓鬼は行われません。

ちなみに施餓鬼は、地域や宗派によって多少の違いがあるものの、基本的にはお盆に実施されます。寺院で行うこともあれば、檀家の家を僧侶が訪問し行うこともあります。


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